控除を受けるためのキーワードは「補聴器相談医」と「認定補聴器技能者」
みなさんは、補聴器が医療費控除の対象になることをご存じでしょうか? 医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額以上だった場合、確定申告により所得税の一部のお金が戻ってくる制度です。
しかし補聴器の場合、かつては医療費控除を簡単には受けられませんでした。まず、基準が各地域の税務署ごとに違い、あいまい。次に、申告時には医師の診断書が必要。さらには、各税務署で決められた複数の書類を集めなければならない。
ところが補聴器の業界と医師が政治に働きかけて制度が改められ、2018年から提出する書類は「補聴器適合に関する診療情報提供書」に統一。医療費控除を受けやすくなりました。ただし、この書類を作成できるのは日本耳鼻咽喉科学会が認定した補聴器相談医に限られ、その書類を受けて補聴器を販売する側も、認定補聴器専門店および認定補聴器技能者のいる店となっています。
先日、こんなお客さまが補聴器の相談に来ました。コロナによるマスク生活を機に補聴器を作ろうと思い立ったとのこと。
「実は4~5年前、補聴器を作ろうとしたら思った以上に高額で……。税理士の先生に控除の対象にならないか聞いたら、ダメと言われて、その時は作るのをやめたんです。今、補聴器っていくらぐらいなんでしょうか?」