著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

ネガティブな人に対して「前向きに」と励ますのはご法度

公開日: 更新日:

 友人、もしくは同僚が失敗して落ち込んでいるとき、あなたはどんな対応を取るでしょうか? きっと多くの方が、「大丈夫だよ」という具合に励ましの言葉をかけると思います。しかし、落ち込んでいる友人が、前向きではなくネガティブ思考の持ち主だった場合、「次があるよ」「気晴らしに遊びに行こう」などと声をかけるのは逆効果になってしまうかもしれません。

 米ミシガン州立大学のモーザーらの研究(2014年)では、ネガティブな人に前向きな言葉をかけると、自己矛盾に陥り、逆効果につながることが明らかになっています。「頑張ろう」の一言が、人によっては凶器になりえるというから、考えものです。

 実験は、ポジティブ思考かネガティブ思考かを自己申告してもらった上で、71人の女性被験者を対象に行われました。被験者に、「覆面男が女性の喉にナイフを突きつけている」といった危険なシーンの映像を見てもらい、できるだけ楽観的な解釈をするように指示を与えたといいます。

 その上で、被験者の脳をスキャンし、血流の反応を調べた結果、ポジティブ思考だと回答した人の血流の反応は、ネガティブ思考と回答した人に比べて、かなり少なかったそうです。つまり、ネガティブ思考の人はあれこれと考え、脳の回転数が上がっているような状況に陥っていることが示されたのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末