「家庭血圧」は「病院血圧」よりも脳卒中発症リスクの確認に役立つ
「家庭や職場でストレスを抱えている人や喫煙者も仮面高血圧になりやすいといわれています。また、血圧の薬を服用している人は、朝に薬を飲み血圧が低くなった状態で受診するので、診察室では血圧が一時的に低くなり、コントロール不良仮面高血圧という状態になっていることも多い」
本当は治療が必要、または薬の追加や変更が必要なのに、それが行われていないとなれば、脳卒中の発症リスクが高くなるのは当然だ。
■家庭血圧は認知機能にも関連
大迫研究では、家庭血圧と認知機能との関連も検討。平均7.8年の追跡データを解析したところ、家庭収縮期血圧(上の血圧)が15㎜Hg上がるごとに、高血圧未治療者の認知機能低下リスクは2.8倍高くなった。
メカニズムの詳細は分かっていないが、家庭血圧の日々の変動が大きいほど認知機能低下リスクが高いという結果もある。
「何をおいても、家庭血圧を測定するべき。若い世代ほど血圧が脳卒中発症リスクに与える影響は大きい。一方で若い世代ほど血圧への関心が低い。血圧が高血圧でも様子見のケースが多く、高血圧治療率も低い。家庭血圧測定がもっと若い世代に広まることが、長期的な日本の健康寿命の延伸に不可欠です」