HPVワクチン接種+検診で子宮頸がんをほぼなくせることが世界中で証明
キャッチアップ接種のスタートは、従来の定期接種と同様に今年4月(市町村によっては前倒しのところもある)。期間は3年間だ。
「標準的に接種は6カ月間に3回です。8年前に接種を1回、または2回しており、そのまま中断していた方も、3回目まで接種を続けてください。接種間隔が延びても有効性は落ちませんので安心してください。ここがコロナウイルス(HPVは変異しない)、コロナワクチン(作製法が異なる)とは違う点です」
HPVワクチンは、ターゲットとするHPVの型をいくつ含んでいるかによって、「2価」「4価」「9価」の3種類に分類されるが、定期接種とキャッチアップ接種に使用されるのは「2価」と「4価」。「2価」「9価」は子宮頚がんの予防効果が高く、「4価」および「9価」は、性器にできるコンジローマの予防も可能。コンジローマは良性のHPV感染症で、性行為の相手にうつす可能性があり、再発する厄介な病気だ。
よくあるのが、「HPVワクチンを打たなくても、検診で早期発見できればいいのでは?」という声だ。HPVワクチンは子宮頚がんの発生自体を抑える「1次予防」で、検診は、がんを早く見つける「2次予防」。そもそも目的が違う。しかも、子宮頚がんはたとえ早期発見できても術後、不正出血や妊娠時の流産、早産のリスクを高める。進行がんでは予後は悪く、治療の後遺症もある。HPVワクチンで子宮頚がんを8~9割減少させられ、検診も加えればほぼ予防できることが世界中で実証されており、その恩恵を受けない手はない。