人の血液型はどう決まるのか 遺伝子の組み合わせは6通り
血液型を決めているのは、赤血球の表面に無数に存在している「糖鎖」という物質です。基本となるのは、N-アセチルグルコサミン、ガラクトース、フコースが結合したものです。この3つは単糖類と呼ばれる物質グループに属しています。単糖類が鎖状に結合しているので、糖鎖と呼ぶわけです。血液学の分野では、この糖鎖を「H(型)抗原」と呼ぶのが一般的です。
H抗原にN-アセチルガラクトサミン(これも単糖類の一種)が結合するとA抗原、ガラクトース(同)が結合するとB抗原となります。またH抗原はO抗原とも呼ばれています。
血液型がA型とは、赤血球の表面にA抗原が存在していることを意味します。同様にB型では、赤血球表面にB抗原が結合していますし、O型ではH抗原(O抗原)が結合しています。
ただしAB型抗原というのは存在しません。AB型のひとの赤血球には、A抗原とB抗原の両方が結合しています。
血液型を決める遺伝子は9番染色体上に載っています。両親からA型の遺伝子を受け継げば、子供はA型(遺伝子はAA)になります。しかし、片方からA型、もう片方からO型の遺伝子をもらったらどうなるでしょうか。この場合、遺伝子の組み合わせはAOですが、A型遺伝子の働きが優先されるため、子供の血液型はA型になります。同様に遺伝子の組み合わせがBOの人の血液型はB型となります。またA型遺伝子とB型遺伝子の働きは対等であるため、組み合わせがABの人は血液型もAB型になります。