著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

血液型とコロナ重症化の関係 「SARS」「MERSで」ではどうだったのか

公開日: 更新日:

「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に新型コロナと血液型の論文が出て以来、世界中から同様の研究結果が発表され続けています。A型が重症化しやすく、O型は重症化しにくく、しかも感染リスクも低いというのは、今では医学界の常識になりつつあります。

 とはいえ新型コロナと血液型の関係は、「専門家の間ではまったく予想外ではなかった」ということも言えます。というのは、コロナウイルスの感染が血液型によって左右されるという事実は、かなり以前から知られていたからです。

 もともとコロナウイルスは、人の風邪を引き起こす病原体としてありふれた存在でした。大半の人が、生涯にわたって繰り返し感染しているのですが、症状が軽く数日もすれば治るので、大きな話題にはならなかったのです。

 ところが2002年の秋から翌年の夏にかけて世界的に流行した「SARS(重症急性呼吸器症候群)」では、多くの死者が出て一気に注目を集めたのです。全世界の30以上の国で合計8000人以上が感染し、775人が亡くなりました(致死率9.6%)。SARSは突然変異したコロナウイルスによる感染症で、重症の肺炎を主症状としており、今回の新型コロナと似ています(感染力は今回のほうが断然強いですが)。このときすでに重症患者の血液型が調べられ、A型は重症化しやすく、O型はしにくいという結果が出ています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「餅」で尿意ストップ! 映画の途中にトイレで席を立ちたくないなら

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  4. 4

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 7

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 8

    広島新井監督がブチギレた阪神藤川監督の“無思慮”…視線合わせて握手も遺恨は消えず

  4. 9

    自民にまた「政治とカネ」問題!太田房江氏に選挙買収疑惑、参院選公認めぐり大阪でグチャグチャ泥仕合

  5. 10

    イケイケ国民民主党に陰り? 埼玉・和光市議補選は玉木代表が応援も公認候補まさかの敗北