年間1万人と予想される梅毒感染でリスクが上昇 「HIV」「エイズ」に気をつけたい
国内の発症者で最も多いのは、以前はカリニ肺炎と呼ばれていた「ニューモシスティス肺炎」や「カンジダ症」(食道、気管、気管支、肺)といった真菌症で、「サイトメガロウイルス感染症」「HIV消耗性症候群(全身衰弱)」などの順番となっている。複数の発症もある。
「HIVは梅毒同様、病原体を含んだ血液や精液、腟分泌物などの体液が、性器、肛門、口などの粘膜や傷口などに直接触れることで感染するリスクが出てきます。HIVに感染すると梅毒になるリスクは高くなり、逆に梅毒になるとHIVに感染するリスクは増していきます。クラミジアなどの他の性感染症に感染している人も粘膜の防御力が落ちており、HIVに感染するリスクは高くなります」
エイズが厄介なのはHIVに感染しても長い間エイズ症状がなく病状が進行することだ。自分がHIVを疑い、自ら検査を受けなければ感染していてもその有無を確認することはできない。
「感染したらどうせ助からない、ならば発症するまでその事実を知りたくない、検査は受けない、という人もいますが、それは勘違いです。昔とは違い、いまはエイズ発症前のHIV感染時点で治療をすれば95%以上は発症を抑えられ、他人への感染を防げるようになっています。検査を先延ばしして『いきなりエイズ』を告げられることは避けなければなりません」