認知症の平均余命は? 亡くなるまで介護が不要な人の特徴
そもそも、なぜ5~12年しか生きられないのかといえば、アルツハイマー型認知症は1年、2年と時間の経過とともに、時間が分からなくなったり、病院などに通うといった行動もできなくなります。
重度になれば着替えや食事を取ることも忘れてしまって、排泄(はいせつ)も自分でできなくなってしまいます。最終的に寝たきり状態となれば、体力は低下し、免疫力もなくなるため、誤嚥(ごえん)性肺炎を発症したり、認知症以外の持病を悪化させてしまいます。こうして結果的に10年前後で衰弱し、寿命を迎えるのです。
認知症を患っても介護生活を短くするなら、少しでも進行していない状態で発見することです。認知症の手前の状態(もの忘れと認知症の中間)である「軽度認知障害(MCI)」の兆候があるかどうか診断することが重要です。採血で調べられますから、気になる方はぜひ受けてください。
▽森川髙司(もりかわ・たかし) 奈良県立医科大学卒業、奈良県立医科大学付属病院で臨床研修医(第2内科)。その後、吉野病院、田北病院内科医長、向山病院副院長などを経て、尼崎市塚口の地に医療法人煌仁会森川内科クリニックを設立。現在、産業医や校医も務める。