なぜ在宅医とケアマネジャーは自分で決めるべきなのか
特に注意したいのは24時間体制の医療をバイトドクターに委ねるような「なんちゃって在宅診療」だ。本人や家族の「医療選択」への思いに寄り添うのではなく、「何がなんでも延命」「可能な限りの精査や治療」という「医師としての標準的な選択」になりがちだ。結果として、看取りが間近な状態にもかかわらず、本人も家族も望まない救急搬送や入院になる事例も少なくないという。
「ケアプランから配食サービスの紹介まで幅広い業務を担うケアマネジャーですが、その選択にも注意が必要です。本来、誰にも忖度することなく患者さん本人の意思に従い、家族の負担を軽減するのにふさわしい介護環境を整えるべき存在ですが、その90%が施設や医療機関併設の居宅介護支援事業所になっています。簡単に言えば、『ひも付き』の仕事をしている介護の調整役の人が現実には多いということです」
もちろん、こうした併設型に所属するからといって、必ずしも患者に対して不誠実とは限らない。ただ、ケアマネジャーの所属する経営者から、担当した患者を可能な限り、自分が持つ医療機関や施設に“誘導”する事例が多くなっており、その中立性、公平性が全国的に問題となっているという。