夜が長い秋にぐっすり眠るためには…「布団乾燥機」を活用する 医師が解説
寝具をしっかり乾燥させ、布団内の温度を適度に保つために有効なのが「布団乾燥機」だ。梶本氏も普段から活用しているという。
「就寝前の2時間くらい前に30分ほど使用すると、掛け布団も敷布団もしっかり乾燥し、布団内の温度も適温になります。布団に入ってから3~4時間は温かいので血流が増えて副交感神経が優位になり、入眠しやすくなります。さらに時間がたつとだんだんと寝具が冷めていくので深部体温もタイミングよく下がり、熟睡することができるのです。乾燥した布団が就寝中の汗もしっかり吸収して放熱できるため、布団内の温度も維持できます。湿度が高くジメジメした時季や寒い冬だけでなく、季節を問わず布団乾燥機を活用すれば、質の高い睡眠をとるための大きな助けになります」
また、最近の電気毛布の中には、搭載された室温センサーで部屋の温度を感知し、自動で温度を設定するタイプが登場している。布団内の温度を維持するために、こちらを活用する手もある。
「われわれの深部体温は朝の4時から6時ごろに最も低くなります。そして、起床時間に合わせてコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールには交感神経を活発にして血圧、血糖値、体温などを上げる働きがあり、脳や体が覚醒するのです。つまり、すっきりと目覚めるには、コルチゾールが分泌されてしっかり体温が上がることが大切になります。しかし、加齢とともにコルチゾールの働きが低下し体温は上がりづらくなるので体もこわばりがち。たとえば、深部体温がまだ低い朝6時ごろに起きようとしても、腰や関節が痛むケースが増えるのです。温度センサーと連動している電気毛布は、気温が下がる明け方に布団を温めて体温を上げることができるので、より良い寝覚めを補助するのです」
秋にぐっすり眠るためにも、寝具を最適な状態に保つ家電製品を活用したい。