著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

アンチエイジングと老年症候群 食事と生活習慣で改善可能

公開日: 更新日:

 アンチエイジングとほぼ同時期に、アメリカの老年医学の専門家たちの間で「老年症候群(geriatric syndrome)」という言葉が使われ始めました。老化が進んだ人は、持病の有無にかかわらず、同じような健康上のトラブルを生じやすいことが、当時からよく知られていました。

 たとえば日常生活での転倒や転落、風呂などでの溺水、食物による窒息や誤嚥(ごえん)性肺炎、ちょっとしたことでの骨折、認知機能の低下などです。それら一連の症状をまとめて、老年症候群と呼ぶようになったのです。

 この言葉の誕生は、以後の老人医学に大きな影響力をもたらしました。それ以前は、老人の健康問題の多くが「年のせい」と簡単に片付けられていました。しかし老年症候群なら、医療の対象となり得ますし、予防や治療の可能性も出てきます。

 アンチエイジングと老年症候群はよく似た概念です。あえて言えば、前者は主に現役世代の老化予防を目指しており、後者は高齢者の健康維持と介護予防を目指しています。

 いまの日本は、定年も年金受給年齢も70歳(長期的には75歳)に引き上げられそうな情勢ですから、50代や60代にとっては、アンチエイジングのほうがより関心が高いでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に