「健康寿命」は個人の主観の平均値 重要なのは老化加速度の格差
健康寿命は、3年に1度行われる「国民生活基礎調査(厚生労働省)」(全国約28万世帯を対象としたアンケート調査)の中の、2つの質問項目をもとに計算されます。
ひとつは「現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問。「ない」を「健康」、「ある」を「不健康」と判定します。もうひとつは「現在の健康状態はいかがですか」という質問で、「よい」「まあよい」「ふつう」を「健康」、「あまりよくない」「よくない」を「不健康」とします。そしてサリバン法という、年齢・性別の重みづけをした計算で、健康・不健康の平均年齢を出しているのです。つまり主観に基づく数字です。
年齢が上がれば、若い頃と比べて体力が落ちたり、膝や腰が痛んだりしてきます。また健診を受ければ、必ず何割かの人が生活習慣病に引っかかります。それを不健康と答えるかどうかは、個人の主観。ですから健康寿命とは、関節が痛んだり血圧や血糖値が高めになってくる年齢の目安ぐらいに考えておけばいいわけです。
それよりも、年齢とともに「老化の格差」が顕在化してくることのほうが重要です。言うまでもなく、老化速度は人によって違います。顔ひとつとっても、80歳で血色や肌つやが良い人もいれば、還暦そこそこで顔色が悪くシワが目立つ人もいます。