【褥瘡(床ずれ)】薬で解熱しても発熱を繰り返していた原因は腰にあった
軽い褥瘡の場合は、軟膏剤による治療のみで終わりますが、壊死がある場合などには、この部分を取り除く処置(デブリードマン)を行うケースもあります。
冒頭の患者さんもそうでした。潰瘍部分に膿がたまり、この膿瘍が感染源になっている場合、抗菌薬により体内の細菌を殺菌できたとしても、膿瘍部分で増えた細菌がまた体内に供給されてしまいます。そのため、抗菌薬投与だけで完全に解熱するのは難しく、抗菌薬による治療に加えて、膿瘍部分を取り除く必要があるのです。
高齢の患者さんや認知症の患者さんは、痛みなどの訴えを医師や看護師に伝えられない場合もあり、傷を見逃されてしまう事例もあるようです。
褥瘡の予防には体圧を分散するマットなども有効です。高齢者、認知症、睡眠薬を服用されている方ら、褥瘡に注意が必要なときは試してみるのもよいかもしれません。