堀田秀吾
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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

日常生活の思考における約12%が「自分自身に関する比較」

公開日: 更新日:

 この連載でも簡単に触れた、米スタンフォード大学のフェスティンガーによる「社会的比較」という理論があります。人は正しく自己評価するために、誰かと比べたがるという理論ですが、フェスティンガーは、人が社会に適応していくには自分の置かれている状況や環境をよく知っていることが必要であると指摘しています。周りの環境の中で自分の立ち位置を明確に理解するためには、周りと比較してしまう。これは、社会で生きていく上で、自分がどんな存在なのかを知っておいた方が何かと都合がいいということでもあります。

 人間がこうした比較をするようになった理由を、ロンドンビジネススクールのムスワイラーらは、このように説明しています。

「比べた方が認知効率が良いから」

 とても端的に人間という生き物を表した一言でしょう。たとえば、自分の身体能力が高いのか、低いのかを知りたければ、スポーツテストの結果を見れば一目瞭然ですよね。どれくらい頭が良いのかを知ろうとしたとき、誰もが出身校の偏差値を調べるのも認知効率が良いからです。

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