「不妊治療」いま押さえておくべきこと 保険適用になって8カ月…何が変わった?

公開日: 更新日:

■メリットとデメリット

 2つの例を出したが、それ以外についてもケース・バイ・ケースが多く、戸惑っている医師が少なくない。

保険が適用されるメリットは非常に大きい。しかし一方で、保険診療はエビデンスがある治療に限られます。妊娠の分野は未知のことも多く、新しい治療の積み重ねで進歩してきましたが、保険診療となると、実績の少ない最新の治療はできません」

 一例を挙げると、近年注目されている病態として、慢性子宮内膜炎がある。軽度の炎症が持続的に子宮内膜に起こっていることを指し、着床不全や妊娠初期の流産の原因の一つとして考えられている。体外受精や顕微授精を受けている人の中には胚移植を何度しても着床しない人が15~20%いて、そのうち14~67.5%が慢性子宮内膜炎という報告もある。

「自覚症状がなく、検査しないとわかりません。これまでは不妊治療で持続して着床できない場合、検査をし、慢性子宮内膜炎があればその治療によって妊娠に至る道を探るという選択肢もありましたが、慢性子宮内膜炎は新しい疾患概念のため保険診療の対象となっていないのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった