「食べる時間と健康」何がわかり、何が未解決なのか? 時間栄養学の第一人者が語る

公開日: 更新日:

 同じ人が同じもの、同じ量を食べても「いつ食べたか」によって太りやすくなったり、痩せやすくなったりする。これは2017年にノーベル生理学・医学賞を受賞して注目された「時計遺伝子」が関係する。時間栄養学はこの時計遺伝子の発現によって働く体内時計と食行動や栄養との関係を明らかにする学問であり、早稲田大学先進理工学部の柴田重信教授はその分野での日本の第一人者である。その柴田教授が3月末に早稲田大学を退官されるという。3月4日(土)早稲田大学先端生命医科学センターで行われる最終講義を前に改めて時間栄養学の意義と残された課題と今後について語ってもらった。

 ◇  ◇  ◇

「時間栄養学とは食行動と、それによって体内で起こる時間帯別の生理反応、分子生物学的変化を研究する学問です。ヒトの体の中には、脳の時間栄養学の研究が進むと、糖尿病や慢性腎臓病などの病気の治療や予防、運動機能のリハビリや寝たきりの予防などに貢献できると考えています」

 ヒトの体の中には複数の体内時計の仕組みが備わっている。主時計は視交叉上核にあり、ここの神経を壊すと、覚醒・睡眠のほか、活動、体温のリズムなど一日の周期リズムがなくなることがわかっている。このほかに、視交叉上核以外の脳にある脳時計、肝臓や肺や腎臓などにある末梢時計が存在し、主時計を補完する働きがあることがわかっている。こうした体内時計の動きに従って栄養を取れば、より効率的に体内に栄養を吸収して筋肉などを合成することができる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 3

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  4. 4

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  5. 5

    「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    189cmの阿部寛「キャスター」が好発進 日本も男女高身長俳優がドラマを席巻する時代に

  4. 9

    PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密

  5. 10

    悪質犯罪で逮捕!大商大・冨山監督の素性と大学球界の闇…中古車販売、犬のブリーダー、一口馬主