母子の命を守るために男性も知っておきたい「妊娠高血圧症候群」
「15歳未満の若年妊娠、35歳以上の高齢妊娠、肥満体形、初産の人が発症しやすい傾向があります。また、糖尿病や妊娠糖尿病、腎疾患をすでに発症している人にも多く見られます。とりわけ、家族に妊娠高血圧症候群の人がいると発症する確率は高くなるため、注意が必要です」
妊娠高血圧症候群は、脳や肺、腎臓など全身のあらゆる合併症を引き起こし、母体を通して胎児にも影響をもたらす。最悪の場合には母体死亡だけでなく、死産、新生児死亡の原因になるという。
「母体や胎児死亡を防ぐためにも、早期発見や重症化を防ぐことが重要です。妊婦健診は必ず受けてください」
妊娠高血圧症候群になると子宮や胎盤での血液の流れが悪く、胎児が栄養不足や酸素不足がちになるため、低体重(胎児発育遅延)の状態で生まれやすい。低体重で生まれると体が栄養不足に陥っているケースが多く、その結果、少ない栄養でも蓄え生きていけるような体質になる。そのため、同世代と同様の食事量を取ると肥満児になりやすく、成人を迎えてから生活習慣病を発症するリスクが高まるという。