【多血】慢性的な酸素不足が赤血球を増やす ヘビースモーカーはご用心
赤血球が少なければ貧血ですが、多すぎると「多血(赤血球増加症)」といわれます。赤血球数が、男性では600万/μl(マイクロリットル)以上、女性では550万/μl以上が目安になっています。
ヘビースモーカーがなりやすいといわれています。慢性的な酸素不足を解消しようと、体が赤血球を増やすのです。たばこを吸わない人では、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。やはり酸素不足を補おうとするためです。
アスリートの高地トレーニングは、酸素の薄いところで、意図的に多血を誘導するもの。赤血球が増えた状態で低地の試合に臨めば、それだけ酸素が全身に行きわたって、息切れしにくくなるのです。
こうした酸欠を原因とする多血は「二次性多血症」と呼ばれており、原因が除かれれば解消します。その意味ではあまり心配しなくてもいいのかもしれません。
しかし、たまに面倒な病気が潜んでいることがあります。骨髄の「造血幹細胞(赤血球をつくり出す細胞)」に異常が生じて多血になることが、まれにあるのです。こちらは「真性多血症(真性赤血球増加症)」と呼ばれ、血液腫瘍の一種に分類されています。ただ重症化しない限り、自覚症状はほとんどなく、健診で異常を指摘されて初めて分かった、という人が大半です。