著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

降圧剤「カルシウム拮抗薬」はグレープフルーツジュースに注意

公開日: 更新日:

 高齢になると血圧が高めになり、降圧薬を服用している方もたくさんいらっしゃるでしょう。降圧薬は、その効き方によって多くの種類があります。ご自身が服用しているクスリの話も出てくると思いますので、参考になれば幸いです。

 筋肉が縮むためにはカルシウムが必要で、カルシウムがなければ筋肉は収縮することができません。なぜ、筋肉の話をしたかというと、血管も筋肉の力で収縮しているからです。一般的に筋肉というと腹筋や背筋といった目に見えるところを思い浮かべると思いますが、これらは骨格筋といいます。一方、血管を収縮させる筋肉のことを平滑筋といい、厳密には骨格筋とは異なりますが、いずれも収縮にはカルシウムが必要です。

「カルシウム拮抗薬」は、その名の通りカルシウムの働きを抑えることで血管平滑筋の収縮を抑制し、血管を広げて降圧効果を発揮します。カルシウム拮抗薬にはジヒドロピリジン系とそれ以外のものがありますが、降圧効果を目的に用いられるのはジヒドロピリジン系です。近年、ジェネリック医薬品が普及しクスリの成分名がそのまま商品名になっていることが多く、アムロジピンやニフェジピンなどのように「○○ジピン」という名前がついているクスリは、ほぼ間違いなくジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗薬になります。

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