認知症患者の「夕暮れ症候群」はなぜ起こる? 夕方になると家に帰ろうと落ち着きがなくなり…

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 患者さんを落ち着かせるためにも、いったん訴えを否定せずに受け入れましょう。そのうえで今ここにいることで得られるメリットを伝えてあげると患者さんは受け入れやすくなります。「夕飯を準備したので食べていきませんか」「娘さんは今買い物に行っているのでお茶でも飲みながら一緒に待ちましょう」などと、安心できる言葉がけをするといいでしょう。

 また、夕方の決まった時間に本人が好きなことを行うと、気が紛れて落ち着きやすい印象があります。症状が現れる時間を把握し、その時間にお茶やおやつを渡したり、本人の好きな音楽やDVD観賞をするとリラックスでき、夕暮れ症候群の予防につながります。

 認知症の進行が比較的緩やかで記憶力が保たれている人の場合、毎日同じ時間にそれらを継続すると生活リズムを整えられ、日内リズムの変動も改善して、夕暮れ症候群が起こりにくくなります。

▽関根一真(せきね・かずま) 2008年北里大学医学部卒業後、日本鋼管病院呼吸器内科勤務。緩和ケアチーム、栄養サポートチーム(NST)、感染対策委員会、呼吸管理委員会の運営・回診に従事。16年から医療法人ゆうま会赤尾内科クリニック診療部長、19年からはアーチクリニック院長を務める。

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