猛暑の健康管理は「脳の温度」を意識して冷やしたい
今年の夏も猛暑が続いています。熱中症への対策はもちろん大切ですが、それとともに健康管理に大いに役立つのではないかと注目しているのが、「脳の温度=深部体温」です。意識して脳にとっての“適温”を維持してあげれば、心臓を守ることにつながるだろうと考えています。
脳の温度=深部体温は、体の表面のいわゆる体温よりも1度ほど高いといわれていて、通常では37度前後に保たれています。われわれの体にはそれを維持するための仕組みが備わっていて、脳の温度が上昇すると体温を発散させるために血管を拡張させ、逆に冷えると体温を逃がさないように血管を収縮させて血圧が上昇します。
こうした体温、血圧、呼吸、心拍数、睡眠といった生命活動に関わる恒常性を維持するためのさまざまな働きは、すべて自律神経によってコントロールされています。自律神経は、活動時や昼間に優位になる交感神経と、安静時や夜に優位になる副交感神経の2つの神経系統で成り立っていて、そのバランスが崩れると心身にさまざまな不調が表れます。猛暑で外気温が高い環境では、脳の温度も上がります。すると、脳にある自律神経中枢がうまく働かなくなり、体温がコントロールできなくなって熱中症を招いてしまうのです。