聴力は問題ないのに会話の内容がわからない…それは「APD」の可能性

公開日: 更新日:

 APDと診断された20代女性の場合、雑音下では「クマ」を「フナ」と聞き間違える、早口での言葉の処理が追い付かない、語頭は聞き取れても語尾までは聞き取りにくいといった症状で業務に支障をきたしていた。

「診断後の支援として、まずは周囲の人にAPDとは何か、どういう状況で聞き取り困難になるのかを説明するよう伝えました。必要であれば診断書を発行し、会話は短くはっきり話す、書面の併用や文字音声化アプリの使用が有効など、その患者さんに必要な配慮についても記載しています」

 複数人が同時に話す場や音が反響しやすい場ではロジャー(補聴援助システム)の使用も有効だ。送信機(マイク)と受信機(イヤホン)からなり、マイクで拾った声は環境音の影響を受けずにイヤホンへ伝わる。APDと診断された中学生は授業でロジャーを使用したところ、着用前と比較して聞き取りにくさは約7割まで減少したという。

「最近は『デジタル耳栓』と呼ばれる環境音だけをカットし声の聞こえを向上できる耳栓もあります。5000円程度で購入できるので試してみるといいでしょう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」