10人に1人は罹患する「腎結石」は生活習慣病? 栄養学専門誌で研究報告
最近、患者数が増えた病気はたくさんありますが、肥満や糖尿病などとともに、急激に増加しているのが「腎結石」です。その名の通り腎臓に石のような塊ができて、尿の通り道である尿管などに詰まると、激しい痛みの発作を起こします。石によって腎臓の働きが低下することもあります。
1995年から2005年の10年間で1.6倍(日本の調査)に増えていますし、人口の10人に1人(海外のデータ)は、その生涯で腎結石になると試算されています。再発が非常に多いこともこの病気の特徴です。
腎結石はなぜこのように増えているのでしょうか? 石の成分はカルシウムが多いのですが、カルシウムをたくさん取ったからといって、それだけで腎結石になるわけではありません。むしろ適度にカルシウムを取ることは、腎結石の予防になるというデータもあるのです。
じつは腎結石は生活習慣病と関連があり、今年の栄養学の専門誌に、興味深い研究結果が報告されています。アメリカで大規模な健康調査のデータを解析したところ、砂糖などの甘味料を多く取っている人は、少ない人と比較して、腎結石の危険性が40%近く増加していたのです。どうやら肥満や酸化ストレスによる尿の炎症が、結石をつくる大きな原因になっているらしいのです。
腎結石を予防するためには、生活習慣を改善することが何より大切であるようです。