著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

食事はどのくらい認知症予防に有効か? 世界的医学誌で報告

公開日: 更新日:

 認知症の新薬が最近ニュースになっています。たしかに早期に使用すると、これまでの薬では得られないような効果が期待されるのですが、それでも進行を遅らせることが主な効果で、認知症自体が治る、というわけではありません。認知症は予防が第一、という考え方は変わっていないのです。

 食生活を健康的に改善することで、認知症は予防可能だといわれることがあります。「MIND食」と呼ばれる食事はその代表的なもので、認知症予防のために開発された食事です。その内容は、オリーブオイルや魚、豆類や雑穀など、認知症予防に良いとされる食品を増やし、赤身肉やお菓子など、悪いとされる食品を減らすというものです。

 このような食事を継続することで、実際にどの程度の効果があるのでしょうか? 今年の「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」という一流の医学誌に、アメリカの2カ所の専門施設において、この食事を行った場合と、単純に軽度のカロリー制限のみを行った場合とで、3年間の経過を比較した臨床研究結果が発表されました。対象は65歳以上で太り気味の604人の高齢者です。その結果、認知症の予防にとっては、MIND食も普通のカロリー制限食も、大きな違いはありませんでした。

 食べ過ぎや不摂生はもちろん認知症のリスクになりますが、特定の食事が確実に予防につながる、という根拠も、今のところ確かなものはないようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動