マスクを常に着用する場合の「害」の検討はなぜ難しいのか
子ども(特に2歳未満や障害のある場合)のマスク着用では以下のような危険性が考えられます。
呼吸が苦しくなり、窒息する可能性がある。
嘔吐した場合に、窒息する可能性がある。
熱がこもり、熱中症になる可能性が高まる。
顔色、呼吸の状態などが観察しにくいため、体調異変の発見が遅れる」
2歳未満、障害のある場合の危険については強調されているが、2歳以上の場合についてこれ以上の記載はない。
また、WHOのガイドライン2)も見てみると、こちらは5歳未満では長時間にわたるマスクはすべきでないとなっている。小児科学会よりは小児に対する害を重く見た記載になっている。ここには明確な基準は設けることができない現状が垣間見える。確かな医学研究がないということだろう。そこで医学論文を探してみる。
■質の高い研究は少ない
すると成人では、マスクによる身体的な悪化のリスクが高い呼吸器疾患や高血圧、心臓手術後の患者を含む27名の患者の小規模の研究ではあるが、マスク着用時と非着用時の酸素飽和度(注2)を比較した研究では、酸素濃度の低下は認められないことが示されている3)。