著者のコラム一覧
黒﨑弘正江戸川病院放射線科部長

江戸川病院放射線科部長。1995年、群馬大学医学部卒。医学博士。日本専門医機構認定放射線専門医、日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医。JCHO東京新宿メディカルセンターなどの勤務を経て2021年9月から現職。

膵臓がん患者の「出血」を止めるための放射線治療

公開日: 更新日:

 病院側としても泣く泣くの決断だったのだと思います。亡くなることがわかっている患者さんに、限りある輸血を毎週行うことが難しいとの判断だったのだと思います。ただ、出血を止めるだけなら放射線治療で比較的容易です。実際に、照射開始して2週間程度で輸血は不要になり、患者さんと家族には大変感謝されました。

 その後も肝転移が出現して、血管内治療(カテーテル治療)などさまざまな治療法を駆使し、手を尽くしたのですが、残念ながら亡くなられています。

 じつは亡くなられた患者さんが私のところに来る前に受診されていた病院は、放射線治療を行っている病院でした。放射線治療医がこの患者さんの状態を知っていれば、当然、私と同じような治療を施したことでしょう。

 このケースはいかに治療を担当する医師と放射線治療医との連携がとれていないか、という状況を表しています。それとともに、諦める前に一度は放射線治療医に相談すべきである、と思うのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  2. 2

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    「フジ日枝案件」と物議、小池都知事肝いりの巨大噴水が“汚水”散布危機…大腸菌数が基準の最大27倍!

  5. 5

    “ホテル暮らし歴半年”20代女子はどう断捨離した? 家財道具はスーツケース2個分

  1. 6

    「ホテルで1人暮らし」意外なルールとトラブル 部屋に彼氏が遊びに来てもOKなの?

  2. 7

    TKO木下隆行が性加害を正式謝罪も…“ペットボトルキャラで復活”を後押ししてきたテレビ局の異常

  3. 8

    「高額療養費」負担引き上げ、患者の“治療諦め”で医療費2270億円削減…厚労省のトンデモ試算にSNS大炎上

  4. 9

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 10

    松たか子と"18歳差共演"SixTONES松村北斗の評価爆騰がり 映画『ファーストキス 1ST KISS』興収14億円予想のヒット