克服には親の「傾聴」「共感」こそが特効薬になる
問題は、本人にその意思が皆無、またはそれがあるのかどうかもわからない、そして抱えている精神障害が治療に反応しないとか、そもそも専門家ですらどうしていいかわからないという深刻で根深い病理を抱えた場合です。
■精神疾患の難治化や発達障害による不適応の背景に感情不全
私自身は、精神疾患を発症や難治化に至らせる要因、抱えている発達障害やパーソナリティ障害で不適応を生じる背後には、この感情不全の問題が大きいと理解しています。実際、これまで100%薬で治療すべきと信じられてきた多くの精神疾患においてさえ、昨今の諸外国の最先端のエビデンスは、感情不全を取り扱う重要性を支持する研究が認められてもきているのです。
つまり、ひきこもりも精神障害もその根っこは本質的には一緒で、分けて考えるべきではなく、互いに悪循環を生じる一方で、感情不全を解決することができれば、どちらも好循環を生みながら二人三脚で改善していくのです。
そしてここからは多少耳の痛い話ですが、強く訴えたいのは、この感情不全に至る背景には、親子間の関わり合いにおけるボタンの掛け違いの影響が極めて大きいということと、そこにおける親の意識改革こそがこの感情不全の特効薬、ひいては不登校やひきこもりの解決の鍵だという重大な事実なのです。