一次感情の気持ちを認めてあげる言葉が子どもの人生の質を左右する
■大事なのは子どもの一次感情を認めること
前回の「わがまま放題させろというのか!」という親御さんに対しては、このように対応すればよかったとアドバイスできるでしょう。お子さんが欲しがっているものがどんなに荒唐無稽なものだったとしても、「買うor買わない」はその後の別問題です。現実には「買わない」という選択の方が多いかもしれません。しかし、まず最初にかけるべき一声は、「そっかぁ、そんなにそれが欲しいんだね」「どうしてそんなに欲しいと思うの?」と、欲しいという一次感情の気持ちを認めてあげる言葉であり、それこそが、目先の「買うor買わない」以上に、お子さんの人生の質をも左右する心のありようの育みそのものに直結するのです。できれば、お子さんの心が折れて聞き分けのいい子を偽装して親の目の届かぬ深くに潜る前に、そこに気づき気持ちを拾い上げる必要があるのです。
さらに言うならば、現在、お子さんが不登校やひきこもり、もっというとなかなか良くならない精神疾患や発達障害、パーソナリティ障害の不適応で難渋している場合には、その解決に向けて親御さんができることがあるのだとすれば、それもまたまったく一緒で、まさに今、困難の最中にいるお子さんの気持ちを傾聴・共感することから、ということなのだと理解できるのではないでしょうか。