50歳未満の「新規がん患者」増加! 若者の老化が進んでいる
原因のひとつとして考えられているのが、老化が進んでいることだ。ワシントン大医学部の研究者らが、今年4月、若年成人のがんリスク増加と老化の加速が関連していることを、米国がん学会で指摘している。
研究チームは、2つの関連を調べるために、英国バイオバンクに登録された約15万人のデータを使って、血液中の9つのバイオマーカーを分析し、参加者の生物学的年齢を算出した。
すると、1965年以降に生まれた人は、1950~54年の間に生まれた人にくらべて、生物学的年齢が年代よりも17%高かったという。
次に研究チームは、加速する老化と「早期発症がん」発症の可能性との関連を調査。その結果、体の老化が早ければ早いほど、肺がん、消化器がん、子宮体がんの早期発症が高まった。
やはり、50歳未満の新規がん患者が、過去30年間で約80%も増えているのは、老化が進んでいるからなのか。
一連の研究報告を「医療ガバナンス学会」で紹介しているボストン在住の内科医・大西睦子氏に解説してもらった。