小休止を挟むと記憶が定着しやすくなる…海馬に良い変化を与える
例えば、最初に顔を見てオールドと判断した場合、次も顔を見せて判断をあおぐ。次の画像をヤングだと判断した場合には、その次の画像はあえて家を見せて、ヤングかオールドを判断するという具合です。記憶や判断力をつかさどる海馬を、意図的に働かせる状況をつくり出しているというわけです。
その上で、シャックとニブは、1~4日後に同じ内容の実験を行い、脳内で何が起こっているのかを観察。導き出されたことは、被験者たちはテスト後の5分間の休憩で、直前に見たものを海馬で自動的に再生(リプレー)していることでした。つまり、休むことによって、脳(海馬)は起きた出来事を自動的に処理しているということ。いわば、自動復習機能のようなことを、脳は行っているというのです。
この結果から考えると、直前に行っていたことを、脳が自動復習するわけですから、勉強や仕事でも小休止を挟んだ方が定着しやすくなり、情報処理が効率的になると推測できます。実際に、記憶の研究でも「分散効果」という理論があり、何かを勉強するときは連続で覚え続けるよりも、勉強してからある程度時間を置いてから復習をした方が、効率が良いと明らかになっています。