飲み過ぎはよくないけれど…1週間にビール中瓶6本までなら認知症のリスクが低下
今年は、コロナ禍の自粛生活が終わり、いつもの年末ムードが漂っています。読者の中には、仲間との忘年会や新年会などを楽しみにされている方も、少なくないでしょう。今回は、お酒について紹介します。
私もワインが好きですから、アルコールについてはちょっぴり耳が痛いところもありますが、脳との関係において飲み過ぎはよくありません。ほどほどを心掛けることがとても大切です。
ほどほどとは、純粋なアルコール量で1日20グラムまで。日本酒は1合、ビールは中瓶1本、ワインは240ミリリットル、焼酎は25度で110ミリリットルに換算するとされます。
米国で65歳以上の男女5888人を対象にアルコール摂取量と認知機能を調べる前向き研究を行ったところ、1週間にビールを1~6本飲酒するグループは、まったく飲まないグループや1週間に1本未満のグループに比べて認知症のリスクがむしろ低かったのです。
脳には、「血液脳関門」という有害物質の侵入を阻止する“関所”がありますが、お酒を飲み過ぎるとここを突破し、記憶に重要な役割を担う海馬を麻痺させます。酔って記憶を失うのは、その影響です。