(15)時計遺伝子と老化との深い関係…ノックアウトマウスで明らかに

公開日: 更新日:

 その後、再びmRNAに転写が開始されることで、時計タンパク質の量は増減を繰り返す。これらの増減のサイクルが24時間周期で行われ、私たちの体はこのサイクルにより地球のリズムに同調していくのである。

■老化は時計の“ズレ”が原因?

 ただ、すべての細胞が24時間周期で同期しているわけではない。各細胞の時計遺伝子を統括する役割を果たすのが、脳の視床下部にある「視交叉上核」である。視交叉上核は「親時計」として各細胞の「子時計」を統制して同期させ、これによって概日リズム(サーカディアンリズム)が正しく機能する。しかし、何らかの原因で概日時計が狂った状態が続いてしまうと、身体の制御システムが崩れ、不眠、うつ病、高血圧、代謝異常、免疫低下といった老化に似た症状を発症し得ることが知られている。

 実際、主要な時計遺伝子のひとつであるBmal1を欠損させたノックアウトマウスは、概日リズムを失い、寿命が短くなるほか、早期に老化現象を示すことが報告されている。ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希はカネにも執着か…チーム力は度外視、4球団との面談で見えてきた"共通項”

  2. 2

    中居正広が地上波テレビから消える?「女性トラブルで“示談金”9000万円」報道の深刻度

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”

  5. 5

    巨人元バッテリーコーチがFA甲斐拓也獲得を悲観…「人的補償で未来の大切な戦力を失いかねない」

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    『光る君へ』ロスはまだまだ続く…柄本佑 “藤原道長”熱演の余韻で《いずれは大河の主役》の声も

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    中居正広“9000万円トラブル”報道の波紋…解決済みでテレビ出演続行、お咎めなしか?

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由