(2)糖尿病患者の白内障手術はなぜ難しいのか
「かつての白内障手術は長時間かかり、入院を要し、患者の体に負担をかけるものでした。そのため、術後の眼内炎症が糖尿病網膜症に悪影響を与えるケースもありました。現在では、短時間の外来手術が一般的で、小切開で挿入するやわらかいレンズを使用するため炎症リスクも低くなっています。ただし、新生血管の活動性が高い場合は、白内障手術後に血管新生緑内障が増悪する可能性が指摘されており、慎重な判断が求められます」
また、糖尿病の人が白内障手術を受けた後に感染性眼内炎を発症するリスクも高いとされている。糖尿病は目の免疫機能を低下させ、結果的に感染症のリスクを高める。術後眼内炎は目の感染症であり、とくに手術後の発症リスクは高くなる。
白内障手術はいずれ誰もが受ける可能性がある治療。とくに糖尿病の人はその日がくることを意識しながら、普段から血糖コントロールに注意することだ。