空腹こそ最大の長寿法…「カロリー・リストリクション」はどうやるのか?

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 そもそもなぜ空腹が長寿につながるのか?

「2000年に米マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ博士が発表したのが、空腹の時間を長く保つとサーチュイン遺伝子が活性化し長生きするとの研究です。別名、長生き遺伝子と呼ばれるこの遺伝子は、タンパク質の製造工場であるリボソームに関連する遺伝子の数を一定に保つ作用があり、それがゲノムの安定性につながり長寿に関係することが明らかにされています。サーチュインの活性化は細胞内でエネルギーを作り出すミトコンドリアの数を増やし、オートファジーにより細胞内の不要なタンパク質を除去することがわかっています」

 そのサーチュインを活性化するには、「NAD+」と呼ばれる補酵素の活性化が必要で、それには空腹状態が条件になるという。

■1日3食取りながら空腹を感じる

「昔からカロリー制限は多くの生物で寿命を延ばし、加齢疾患の発症を遅らせる、と言われながら、ヒトやサルなどの霊長類が当てはまるのか、長い間議論が続いていました。それを検証するため、米国の大学と国立老化研究所がそれぞれアカゲザルを用いたカロリー制限研究を行いました。当初は正反対の結論が出たものの、食餌の内容や対象となるサルの出身地等を合わせることで、『アカゲザルでもカロリー制限により老化を遅らせ、健康寿命を延ばせる』と結論が一致したのです」

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