著者のコラム一覧
永尾光一一般社団法人日本精索静脈瘤協会代表理事、医療法人社団マイクロ会理事長、 銀座リプロ外科院長、東邦大学名誉教授

1960年生まれ。埼玉県出身。昭和大学で形成外科学を8年間専攻後、東邦大学で泌尿器科学を専攻。東邦大医学部泌尿器科学講座教授、医学博士・泌尿器科専門医、男性不妊治療・精索静脈瘤手術の第一人者。

6年間の不妊治療の後、泌尿器科で発覚した意外な原因…男性不妊の4割「精索静脈瘤」とは

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 この病気による血流障害が続くと、精子の質が下がり、DNAが傷つくこともあります。手術によって血流を改善すれば、精巣の状態が整い、精子の運動率や数の向上が見込まれ、実際、顕微授精(顕微鏡で確認しながら選んだ1つの精子を卵子の中に直接注入する方法)レベルだった精子の状態が、手術によって自然妊娠可能な水準まで回復した例も多いです。

■泌尿器科に行って発覚する病気もある

 ここで、手術を受けた患者さんの例を紹介します。例えば、Sさん(41歳・会社員)は、奥さんと6年間にわたって妊活を続け、顕微授精や人工授精、さらには鍼や漢方まで試しました。治療の負担は女性側に集中していました。

 そんな中、漢方薬局の薬剤師から「精索静脈瘤の可能性」を指摘されたそうです。Sさんが調べて私の外来に訪れ、検査の結果、精索静脈瘤が判明しました。日帰り手術を実施後、自然妊娠で女児が誕生しています。
 
 またTさん(35歳・会社員)夫婦は、2人目が妊娠できずに悩んでいました。1年にわたって顕微授精を続けても結果が出ず、通院していた産婦人科で「ご主人が精索静脈瘤かもしれない」との指摘を受けて来院しています(ちなみに産婦人科が男性不妊を疑い泌尿器科の診療を勧めるケースは稀。その理由は改めて取り上げます)。

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