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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

“新御三家”海城中学高等学校が取り組む「自ら考える教育」

公開日: 更新日:

 これを機に、生徒会の間でセーター問題が話し合われた。生徒にアンケートを行い、その結果を基に生徒会の意見をまとめ、要望を学校側に提出。その後、セーター着用を認める規則がつくられた。

「規則ができたのは僕が卒業した後ですが、たかがセーター問題とはいえ、生徒たちにとっては為せば成ることが実感でき、大きな自信になったのです」(OB)

■生徒自身に学ぶ力をつけさせる3ステップ

 こうした生徒自身に考えさせる取り組みは、授業でも行われている。海城では中学~高校の6年間を2年間ずつ、3つの期に分けている。Ⅰ期(中1・中2)は「学習習慣を確立」、Ⅱ期(中3・高1)は「基礎学力を確立」、Ⅲ期(高2・高3)は「大学受験にも対応する学力を完成」と位置づけている。この中で特に注目されるのはⅠ期だろう。

「受け身ではなく、まず自ら学ぶ力をつける。最初の2年間でそうした習慣をつけることによって、次のステップに進みやすくなる。この段階では基礎学力は二の次なのです」(学校関係者)

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