中学受験「塾の選び方」 4大学習塾の長短と特色を検証する
首都圏で4大学習塾と呼ばれているのが日能研、SAPIX小学部、四谷大塚、早稲田アカデミー。このほかに、市進学院、栄光ゼミナール、TOMASなどが大手に数えられる。さて、大手学習塾に行くとして、何を基準に選べばいいのだろうか。塾選びは、受験の結果を大きく左右する。
東京の私立男子校で大学受験実績トップの開成中学への合格者数(2021年)はSAPIX269人、早稲田アカデミー127人、四谷大塚106人、日能研30人の順になっている。合計すると532人。開成中学の募集定員は300人のはずである。実際は、他校(筑波大附属駒場など)に流れる辞退者を想定して、定員より多くの合格を出す。21年は398人の合格者がいた。4大学習塾の開成合格者の総数はその数字を大幅にオーバーしていることになる。
「かつては一部の学習塾で水増しした数字が発表されていましたが、最近はほとんどない。公益社団法人の全国学習塾協会が『受験直前の半年のうち継続して3カ月以上在籍』しているなどのガイドラインを決めていて、わずかな期間しかいない生徒を加えてはいけないルールになっています。それを守らない場合は、消費者庁から改善命令が出ます」