あふれる冷や酒で甘くなった舌をマティーニで締める
大森(大田区)①
大森は池上通りをはさんで、山王の高級住宅街と大衆的な飲食街に分かれる。山王から馬込にかけて山本周五郎など多くの文士が住んでいたのは有名な話。今日はもちろん飲食街へ。
東口前には飲食街が大きく広がっていて、入り組んだ路地にはさまざまな店が並ぶ。裏路地を抜け大森銀座商店街のアーケードへ。その角に堂々とたたずんでいるのが今日の1軒目「大衆酒場 富士川」。1階は12、13人座れるカウンターと4人掛けのテーブル。2、3階はテーブル席。アタシは常連ばかりのカウンターにずうずうしく陣取り、まずは中生(450円)。つまみは刺し身からとんかつ、てんぷらまで何でもある。まずはおすすめのイワシの刺し身(430円)。とくれば八海山の辛口の冷や(420円)でしょ。受け皿付きのコップに気前よくついでくれる。あふれた酒でシミになったカウンターが歴史を感じさせる。サラリーマン、カップルで2階はいっぱい、カウンターも満席に。隣の若者2人もマイボトルを傾けて、翌日の大井競馬の予想に余念がない。彼らがつまんでいるニラ玉(400円)が気になりアタシも追加注文した。