ドラえもんを本気でつくる気鋭の研究者に聞いた 「心」を持たせることはできるのですか?
──ドラえもんのように、「心」を持たせることができるのですか。
「触れ合った人に『“心があると思いたい”と思わせること』が第一歩です。日本人は、物体や自然などに心や意思があると考えてきた民族です。付喪神や八百万の神がいい例ですね。だから、そのハードルは決して高くないと考えています」
──どうやって実現を。
「現在、試験用で使っているロボットは『ドララ』『ドラァ!』などしか話しません。これがカギになる。ペットは人の言語を解しませんが、心を通わせることができています。それは人がペットの心を想像するからです。このロボットは話す単語が限られている分、人はロボットが何を伝えようとしているのか、意図を想像することになります。その過程で『ロボの中に心を見いだすこと』になる。ロボットのデザインが無地でシンプルな理由は、そこにも想像の余地を残すためです」
■人と交流することで真価を発揮する「HAI」
──ある種の“余地”を強みにしている、と。