ドラえもんを本気でつくる気鋭の研究者に聞いた 「心」を持たせることはできるのですか?
ドラえもんを本気でつくろうとしている研究者が日本にいる。東工大付高、慶大理工学部をともに首席で卒業後、同大学院の修士、博士課程を経て、日大文理学部情報科学科で教壇に立つ大澤正彦准教授(30)だ。いったいどのような研究をしているのか、話を聞いた。
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──いつからドラえもんをつくろうと?
「2歳の時から『ドラえもん』と言っていたみたいです。そのまま漠然とつくりたいなって。でも、どうすればいいのか分からない、愛憎のような気持ちまで抱えていたほどです(笑)。その情念をなぜか手放せずにここまできてしまいました」
──つくろうとしている「ドラえもん」とは。
「多くの方に長年愛されているドラえもんに、僕のイメージを勝手に定義としてつけてしまうのは違うと思っていて。誰かの理想像を壊すことになりかねない。だから、『みんながドラえもんだと認められるもの』と、位置付けています。ドラえもんは人と仲良くなって周りから愛されている。そこを突き詰めていけば、みんなに認めてもらえる存在に近づくはずです」