「社会投資家」って何? 10億円以上稼いだ人が始めたきっかけ、シニアに勧める理由
竹井佑介さん(社会投資家)
近年、社会問題への取り組みを事業として立ち上げる社会起業家が注目されている。今回のもうけびと・竹井佑介さんが名乗るのは「社会投資家」。これは一体どんな投資家なのか。
「簡単に言うと、投資を通して人々を幸せにする投資家のことです」
活動拠点の米・ロサンゼルスとつないだオンライン取材で、開口一番こう語った竹井さん。これまで100件以上の事業、NPO、NGOなどに投資してきたという。
「一般的な投資は、個人の利益のために株式や不動産、FXなどの投資により収益を得るもので、投資先が社会貢献的な活動をしているかどうかは基本的に関係ありません。一方、社会投資は、投資による利益が社会に還元されることを前提としています。例えば人々を幸せにしたり、世の中の不便を解消したり、環境をよくしたりする事業を行う会社や活動に投資することで、その会社を通して社会貢献になりますし、リターンも得られます。社会よし、会社よし、投資家よしの、まさに三方よしの投資活動を行うのが社会投資家なのです」
例えば竹井さんは、たまたま乗り合わせた元美容師のタクシー運転手から、フリーランス美容師の窮状を聞いたのをきっかけに、アメリカで流行していたシェア美容室の日本での設立に投資。独立した美容師の収入改善や経営支援に貢献した。活動拠点の一つでもあるフィリピンでは、貧困地区の自立支援のために養豚場を建設。建設費の返済金は、すべて地元の教育機関に寄付している。
「最近ではAI法律事務所の設立に投資しました。もともと知人が家を騙し取られてしまい、法律の知識があればそんなことにならなかったのにと思ったのがきっかけです。そんな時、こちらも知り合いの弁護士がAIを活用した法律事務所をつくるという話を聞いて、すぐさま投資を名乗り出ました。AIが書類作成などを代わりにやれば弁護士の人件費が下がり、より多くの人が手軽に法律知識の恩恵にあずかれると思ったからです」
とはいえ、世の中の役に立ちそうなことにお金を出すだけなら、多額の寄付をする慈善家と変わらない。