闘病姿を動画配信…「格好悪い姿をさらけ出すのも猪木だからです」と笑った
死の1年前、私は2度、猪木さん宅を訪ねました。そのとき、医者の直感から「もう長くはないな」と思いました。ですからそれから1年間の闘病生活は、よく持ったと言えます。本当によく頑張ったと思います。そんな中、猪木さん自身も長くはないと悟っていたのではないでしょうか。
猪木さんというのは、本当に飾らない人でした。すべてを受け入れて、ありのままに生きる人でした。腰に激痛が走り、心臓も侵され、腸捻転なども発症し、入退院、リハビリ、温泉治療などを繰り返し、最終的には寝たきりになりましたが、そのすべてを運命として受け入れ、病気と闘い続けました。
そういう人ですから、闘病姿を余すことなく動画にし、3年間にわたってユーチューブで配信し続けたのです。そして、死の1カ月前、「24時間テレビ」に車椅子姿で出演しました。
闘病姿というのは、醜いものです。リングの上での“格好いい姿”からはあまりにほど遠いものです。もしプロレスの王者としてのイメージを大切にするなら、ファンにあの姿は見せるべきではなかったでしょう。