ボスネコと仲良し野良ちゃん…2頭のユニークな“主従関係”に注目してみた
面白いネコちゃんを診察する機会に恵まれましたので、今回はそのお話を紹介します。飼い主さんは東京と千葉を行き来されていて、千葉の自宅に出入りする半野良のようなネコちゃんグループの1頭。4歳のオスで去勢はしていません。調子が悪く、ぐったりしていたので当院に連れてこられました。
診察すると、尿路結石で尿道が閉鎖し、尿が腎臓に逆流。急性腎機能障害で重篤でしたが、入院して治療を続けた結果、回復しています。
気になったのは頬のケンカダコです。シャー、シャー、フー、フーと威嚇するしぐさを繰り返していると、頬の筋肉が厚くなって隆起した状態になります。
それがあったので、ボスネコかボスを目指すタイプかと思いましたが、お話を聞くと違うようです。
そこにはもう1頭オスがいて、2頭はとても仲が良く、くっついて寝ているとのこと。もう1頭も去勢していません。
人に懐いているネコちゃんで同腹の兄弟だと、1歳くらいまでくっついて寝ることはあります。しかし、野良ちゃんの野生集団では、ある程度性成熟すると、同腹の兄弟でも縄張り争いやボスネコ争いが起こるため、4歳まで仲良くするのはとても珍しい。