もし富士山が噴火したら…どう逃げればいい? 溶岩流噴出量は最大13億立方メートル!
レベル5までは、一般住民の避難は“自主的な判断”のみに
③どの警戒レベルになったら避難すべきか
気象庁が発表する「噴火警戒レベル」を基に関係自治体では避難が開始される。噴火警戒レベルは最も高いものからレベル5(避難)、レベル4(高齢者等避難)、レベル3(入山規制)、レベル2(火口周辺規制)、レベル1(活火山であることに留意)の5段階がある。
とはいえ、最高レベルの5に行くまでは、一般住民の避難は“自主的な判断”のみにとどまる。
「レベル3の段階で小学校や中学校などが休校になります。富士山の小規模噴火や地震が多発すると出されるレベル4になると、高齢者や入院中の要支援者が避難になります。ですが、一般の住民が避難を開始するのは、基本的に富士山が噴火してから。レベル5がそれに該当します」(山梨県火山防災対策室の担当者)
幹線道路は逃げ出す人の車で大渋滞が起きる。富士山が噴火したのを見てからよーいドンで逃げても、手遅れとなるケースがあるのだ。御殿場市に観光などで滞在している人も箱根町へ、富士吉田市からは大月市まで“徒歩”で移動することになる。
④外国人観光客には誰が異変を伝えるのか
富士山の噴火によって避難の対象となる人は周辺住民のみならず、観光客や買い物客、特に外国からの旅行客も多い。
彼らにどう危機を伝えるのか。対応のまずさによっては国際問題にもなりかねない。
「富士登山中の外国人については、外国語ができる山小屋のスタッフに声かけをお願いします。中国語などアジア諸国の言語については今後の課題となります。ISOの危険標識で誰でも分かる避難誘導なども考えています」(前出の静岡県危機管理部担当者)
観光客はレベル3までに宿泊先のホテルや旅館から帰宅するよう促される。レベル3は、居住地域に影響しない山中のみで有感の地震が多発した場合に出される。