「また敏腕弁護士を雇えばいいっしょ」ドロ沼離婚した53歳男性。それでも10歳下恋人との再婚に軽いノリ
53歳、過去の結婚は黒歴史
「冷酷と激情のあいだvol.206〜女性編〜」では、婚活の場で出会った恋人がサイコパスまたはモラハラ気質なのではないかと疑っている百合さん(43歳・仮名)の心情をお届けしました。
結婚を視野には入れているものの、過去の結婚生活について語ろうとしない恋人に対して、百合さんは大きな不安を抱いていると話します。
では、百合さんの恋人であるサトシさん(53歳・仮名)は、今の恋愛や過去の結婚について、どのような思いを抱いているのでしょうか。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「え? 過去の結婚ですか?
いや〜、あんまりいいもんじゃなかったですね! できれば思い出したくもないくらい。人生の汚点ってやつですかね?
黒歴史ですよ、黒歴史!!」
軽い口調で、過去の結婚について、こうまくし立てるサトシさん。
聞けば、結婚生活は3年で終わったものの、そのうちの1年半は別居をしていたので、元妻と生活をともにしたのは実質1年と少しの期間――。
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結婚してもいい
「俺、結婚に向かない性格なのかもですね?
一応、前回は年齢も適齢期を迎え、一度くらいはしておかないと周りから変な人だと思われそうだよな〜っていうのがあって、そのときに付き合っていた子と結婚をしたんですよ。
結婚式も披露宴もわりと派手にやっちゃったから、すぐに離婚をするのは恥ずかしかったですけどね。
まぁ婚歴ナシの独身でいるよりは、バツイチになれたっていうので満足しています」
現在の恋人である百合さんとの関係については、当初に思っていた以上に居心地の良さを感じていて、今の関係が続くのであれば結婚をしてもいいと考えているとサトシさんは話します。
口を挟まない恋人に感じる居心地の良さ
「前の妻と違って、百合は奥ゆかしいっていうか真面目なんですよ。
だから俺の話もいつも黙って聞いているし、話を遮ってくることもないから、話していて気分がいいんですよね。
俺が何をしていても文句も言わないし、要求だってほとんどしてこない。居心地がいいなぁって思っています。
ほら、結婚って居心地が大事だって聞くじゃないですか?
そういう意味では、俺に向いているんだと思います、百合は」
口うるさい前妻にうんざり
過去の結婚生活が短期間でダメになった理由については、サトシさんいわく「相手を間違えたっていう話ですかね」とのこと。
「口うるさい女でしたよ、前妻は。
『夫なんだから、もっと寄り添ってくれて当たり前なのに』だとか『妻の立場をもう少し考えろ』とか。自由にさせてくれなくて、感情的な要求ばかり。
つまらない話をしてきて『共感してくれないのはおかしい』って文句を言われたことだって、一度や二度ではありませんでした。
そんな女と、伸び伸びとした気持ちで、一緒に暮らせます? 息が詰まるんですよ。
だからすぐに別居しました。俺が逃げてやったんですよ。そんな女は妻にはしておきたくないから」
また同じ弁護士に頼めばいいし
極めて冷静な表情で、過去の結婚について話しているサトシさん。最終的には弁護士を介入させた協議離婚で決着をしたそうです。
「ドロ沼って感じで、離婚は疲れましたねぇ。最後は結局、カネの話になっていて、守りに入るのが大変でしたよ!
でもこっちは敏腕弁護士をつけていましたからね、最終的には楽勝でした。
離婚をするにしても敏腕弁護士をつければ、どうにかなるんだなっていうのはわかったんで、次に結婚をするにあたってもそこまで不安はありません。
ダメだなって思ったら、また前回と同じ弁護士に依頼して、決着をつければいいんですからね」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)