著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

自民党「地域金融議連」が初会合 「公租公課税滞納」倒産が重要な“裏テーマ”か?

公開日: 更新日:

 6月20日に自民党の有志議員が立ち上げた地域金融機関の取り組みを後押しする「地域金融議員連盟」が金融界で注目されている。会長には財務省OGの片山さつき参院議員が、事務局長は同じく財務省出身の滝波宏文参院議員が就いた。初会合には小泉進次郎元環境相のほか財務省出身議員ら50人あまりが出席した。

 議連は、「新型コロナウイルス禍の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)で企業の倒産が抑えられたことから、地域金融機関の社会インフラとしての重要性を訴える」としており、会長の片山氏は「地域金融機関がいかに生き残るかには政治が必要だ」と語った。党の金融調査会とは別に、機動的に金融機関への支援を議論するとしている。

 一方、金融界では議連の取り組みについて、「コロナ対応の政府の施策が終了し、中小企業の倒産が急増しつつある。そのツケは地方の金融機関に及ぶ。議員連盟はそうした問題意識がある」(メガバンク幹部)とみている。

 そのひとつ、重要な「裏テーマ」とみられているのが、「公租公課滞納」倒産の急増だ。

 帝国データバンクの調査によると、消費税や固定資産税、厚生年金保険などの「公租公課」を納付できない、または滞納による差し押さえで経営に行き詰まった「公租公課滞納」倒産は、2023年度に138件判明した。その後も月次ベースでは、24年1月が14件、2月が16件、3月が20件と、過去最多を更新し続けている。 

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    夏の京都に異変! 訪日客でオーバーツーリズムのはずが…高級ホテルが低調なワケ

  3. 3

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  4. 4

    不倫報道の福原愛 緩さとモテぶりは現役時から評判だった

  5. 5

    ヒロド歩美アナ「報ステ」起用で波紋…テレ朝とABCテレビの間に吹き始めた“すきま風”

  1. 6

    中日立浪監督「ビリ回避なら続投説」は本当か…3年連続“安定の低迷”でも観客動員は絶好調

  2. 7

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  3. 8

    夏休み到来! 我が子をテレビやゲーム、YouTube漬けにしない「割と簡単にできる方法」

  4. 9

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 10

    新庄監督は日本ハムCS進出、続投要請でも「続投拒否」か…就任時に公言していた“未来予想図”