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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

森永卓郎さんは体重減で56キロに…「がん悪液質」で痩せない生活改善を

公開日: 更新日:

「体重が落ちちゃって……。いまね、56キロしかないんですよ」

 出演したラジオ番組でこう語ったのは、すい臓がんで闘病中の経済アナリストの森永卓郎さんです。体調を心配した司会者にしっかり食事をとるよう勧められると、「お腹はすくんですよ。だけど、すぐお腹いっぱいになっちゃう」とこたえたといいます。

 進行がんで痩せるのには、いくつか理由があります。その1つが、がん悪液質です。がん悪液質とは、がんがあることで体重が減り、筋肉が減る病態を指します。一般の方は、「がんで痩せるのは仕方ない」と思っているかもしれませんが、悪液質にきちんと対処して急激な体重減少をストップできれば、治療を続けられて生存率が改善することが分かってきたのです。

 国際的には「過去6カ月に5%を超える体重減少」「2%を超える体重減少かつBMI20未満」のうちいずれかに当てはまると診断されます。BMIは体格指数で、体重(キロ)を身長(メートル)で2回割って得られる数値です。進行度で分けると前悪液質、悪液質、不応性悪液質の3段階で、不応性では抗がん剤治療ができません。前悪液質の段階で食い止めることが肝心です。

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