『虎に翼』に共感。40歳の私が“夫婦のようなもの”を選択した理由「なぜ結婚するのかわからない」

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「夫婦のようなもの」を選択する寅子、現実は?

 8月22日に放送されたNHK連続テレビ小説『虎に翼』は、寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)が結婚を止め、“夫婦のようなもの”になると決意する回でした。

 現代では、婚姻届を提出しない事実婚といった形を選択するカップルも増えました。『虎に翼』の時代である昭和初期に比べると理解が進んでいるように見えますが、本心では「なぜ結婚しないのかわからない」と考える人も多いよう。

 人それぞれの価値観に「なんで結婚しないの?」と聞くのはナンセンスだとは思いますが…“夫婦のようなもの”を選択した女性に話を聞きました。

【関連記事】『虎に翼』脚本家、アニメ界でなぜ高評価?朝ドラ人気の要因は公平な目線

A子さん「むしろ、なぜ結婚するんですか?」

 話を聞いたのは、新聞社系列の会社で働くA子さん(40歳)。2年目に購入した神奈川県のマンションでパートナーである自営業の男性(45歳)と暮らしています。

「子供の頃から、うまくいっていない夫婦を何組も見てきたので、むしろ『なぜみんな結婚するんだろう?』と不思議でした。子どもを持つつもりもなかったので、結婚する必要は感じたことがありません。彼もバツイチなので結婚しないという選択に同意してくれました」

 結婚という形はとっていないものの、彼とは家族ぐるみの付き合いをしているそう。実家の長野でA子さんの両親と彼が一緒に過ごすことも多いのだとか。

 また、A子さんが乳がんを患い手術をした際も彼が同意書を書き、お互いが生命保険の受取人にもなっています。(※認められるか否かは病院や生命保険会社によって異なります)

 でも、そこまでするのであれば結婚してもよいのでは?

「個人的に、人との関係性は一人一人が異なると思っています。そんな相手によって変化するものに結婚という制度を当てはめることに違和感があるし、私にとって窮屈でしかないんです。世間の目を気にする人もいるようですが、私は今の状態で不自由を感じたことはありません。

 大学が外語学部だったためか多様な価値観を持った人に囲まれているので、周りの声を気にすることもなく楽しい生活を送っています。両親もリベラルな考え方をするタイプで、結婚を強要されたこともありません。私達の意思を尊重してくれているので、とても感謝しています」

A子さんが『虎に翼』を見た感想は?

 なるほど…。今回の『虎に翼』には共感しました?

「はい! 永遠の愛なんて誓えないし、夫婦別姓についてもしかり。あの時代にあの主張が可能だったのかなという疑問はありますが(笑)、『当たり前』だと思われていることに従順でいなければ、なんてことはないはずです」

 最後に、A子さんは「なんか偉そうですみません」と笑いながらこう話します。

「少数派側は苦労することも多いですし、その苦労はしなくていい苦労かもしれない。でも私は自分に嘘をつかず、ちゃんと主張する時はしたいと思っています。

 …といっても私も現金な人間だから『結婚したら1000万円あげます』という制度が出来たら、コロッとしちゃうかもしれませんけど(笑)」

それぞれにとって良い人生を!

 もちろん、結婚することでより幸せになる人もいます。大切なのは個人の状況や性格、ライフプランなど個々に合っているかどうかではないでしょうか。

 よくある「結婚している女」VS「未婚の女」のような分断を煽ることはせず、それぞれの人生に沿った選択をしていきたいですね。

(コクハク編集部)

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