合同採用説明会で見た「保育士不足」のリアル…東京都も神奈川に“遠征”して人材確保に必死

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実感したのは低すぎる待遇

 一部地域ではこうした処遇改善策が実施されているとはいえ、依然として保育士の賃金は低い。厚労省によると、昨年の保育士の平均月給は26万4000円。全産業平均の31万8300円と比較しても、5万円以上低い。出展していた事業者の条件面を見ても、初任給は20万円からのスタートが多く、昇給は最大でも30万円くらいまでだった。

 出展していた公益法人に保育士として勤める40代の女性は、待遇の低さをこう嘆く。

「あまり理解されませんが、看護師さんなどと同じで私たちも子どもの命を扱う仕事なんです。責任自体はとても重いはずですが、『誰でもできる仕事』という世間の誤った認識がまだまだ強いんだと思います。専門性が必要とされる仕事なのに、こんな待遇じゃ人は集まりませんよ」

 人手不足は保育の質の低下にも直結する。

「本来であれば『右向け右』の一斉保育よりも、それぞれの個性に合わせた保育の方が理想です。だから、子どもにはいっぱい挑戦させてあげたいのですが、安全を確保するための人手は、どんどん足りなくなっています。このままでは、保育は崩壊の一途をたどるのではないでしょうか」(同前)

 会場の業界関係者は「国は保育にもっとお金をかけてほしい」と口をそろえた。現場の声は届くのか。

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