ヤクルトファン悲鳴!神宮球場外野スタンド大幅縮小確実…再開発樹木伐採「見直し案」が波紋
東京都知事選でも争点になった明治神宮外苑の再開発。大量の樹木伐採に反対運動が起き、ユネスコの諮問機関イコモスから「警告」が出されるなどしたため、「樹木のさらなる保全」を求める東京都の要請を受けた事業者が今月9日、見直し案を発表した。
そのポイントは2つ。伐採本数を当初計画から124本減らすことと新野球場のセットバック幅の拡大だ。従来案ではイチョウ並木と新球場との距離が8メートル。木の根っこにダメージを与え、生育に悪影響を及ぼすと懸念されていた。そのため見直し案では、距離を10.3メートル拡大して18.3メートルにする計画だが、これが波紋を呼んでいる。樹木への影響は減るかもしれないが、その結果、新球場の外野右翼席が大幅に縮小されてしまう可能性があるからだ。
住民や専門家などがメンバーの「神宮外苑を守る有志ネット」の一員である建築士が、認可申請の手続きで事業者が官公庁に提出した文書などをもとにCADを使用して作成した図面(写真)でそれが分かった。
図の青の実線が従来案、赤の実線が見直し案だ。正面スタンド裏に併設されるホテル部分を優先する構造のため、従来案でも外野席は現行の最大48列から27列まで減るとみられていた。見直し案では外野のライトスタンド部分がさらに削られ、単純に線を引くと、事業者が再開発の売りにしてきたコンコースやテラスが切り取られてしまう。